大学院特別講義12回

「デザイン科学とは」黒川雅之

 

黒川雅之

愛知県名古屋市生まれの建築家・プロダクトデザイナー金沢美術工芸大学博士)。日本建築学会会員。日本建築家協会会員。株式会社黒川雅之建築設計事務所主宰。株式会社デザイントープ主宰。

 

【学んだこと】

 今回の講義を聞き、デザイン化ではなくデザイン工学でもなくデザイン科学とは本来無いモノである。

これは、本来デザインは感覚的に行うモノであり、理論より感覚が大事、感覚が備わっていなければ問題を発見できないということである。

  「人間は必ず揺れているという」という話がありこれは、世界は常時動いていて揺れている。その中にいる人間も必ず揺れているというものだった、これは言ったことは必ず曲げませんなどという人はいるが、世界は揺れていて、動いているのだから、言っていることが二転三転することは、間違いではなく、むしろ正しいということ。

つまり、人間やモノは必ず揺れているからこそ、正しさを考え直すべきであるということである。

 また、「心が揺れるからこそ感動である」、「調和しているとは、調和しようと絶えず揺れている」ということからも、動いて無いものなど存在せず、揺れ動いていることこそ正しいと言うことを学んだ。

 

【考えたこと】

 私が考えたこととしては、ものづくりにおいて、「揺れる」とはなにかである。

ものづくりをする際、新しいものが生まれる時、「混沌からモノは生まれる」とおっしゃっていたことから、ものづくりにおいての「揺れる」とは、既存の考えをやめ、交わることが無いと思われていた、組み合わせを考えるということだと私は考えた。

 なぜなら、既存の考えの中では、既存のモノしか生まれず、新しいモノは生まれないからである。

 新しいモノをデザインする場合は、混沌から生まれる。混沌とは、今まで作ってきたもの、積み上げてきたものをすべて壊し、それらの要素を混ぜて考えるということであり、混沌の中から出てきたモノがあれば、それは面白く、新しいモノであるということである。

 このことからもものづくりにおいて「揺れる」とは、既存の考えをやめ、交わることが無いと思われていた、組み合わせを考えることであり、発展させるという考え方ではなく何もかもをひっくるめてなんだかわからないところから生まれるモノに意味があるのだと私は考える

 またデザインする上で、感覚は重要になってくるので、感覚を鍛えることも重要であると私は感じた。

大学院講義11回

三木康司

富士通株式会社に入社、海外営業部に配属される。その後、慶應義塾大学、藤沢キャンパス(SFC)にてインターネットを活用した経営戦略を研究するため、自費留学。同校にて政策・メディア修士号を取得後、博士課程へ進学、リサーチを兼ねて中小製造業支援ベンチャー、NCネットワークに入社するが、業務多忙のため博士課程は学位を取得せず単位取得後退学。同社は国内最大規模の製造業ポータルサイトに成長、IT担当役員を務めた後、2009年、だれもがメーカーになれる、「マイクロモノづくり」の概念を普及するために、株式会社enmonoを独立、起業。

 

【学んだこと】

 今回、三木康司さんの話を聞き、学んだこととしては、モノづくりとは本来楽しいモノであるということ、ものづくりをすることで、作った人、また消費者が元気になるモノが本来のものづくりのあるべき形であるということ。

 このことから、ものづくりをする上で、一番重要なことは、、町工場が一番欲しいものをデザインすること。

また、自社製品を作成する際には、、出来る範囲で小さくスタートさせ、工場にすでにある設備や、もともとあるモノをつかって作成するべきであるということが重要である。

これは、製品を改良させる上では、自身のモチベーションが不可欠であり、ワクワクが必要であるということと、最初の自社製品は、プロセスが確立しておらず、成功するのが困難であるという点からである。

 また、自社製品を制作する上でゴールを設定した後に作り方を考える方が良い、なぜなら同じような商品が出てきにくいからであり、ロジックを組んでいく手法の場合、似たモノが他社から同じようなタイミングで出ることが多いからである。

 

【考えたこと】

 私が今回の講義で考えたことは、楽しいものづくりを行うということである。

楽しいものづくりは、「自分が一番のユーザーになるものを自分で作る」というふうに言っていたことから、楽しいものづくりとは、自身が好きなものを用いて作るものであると私は考えた。

 なぜなら楽しいものづくりを行う上で必要になるものとして、モチベーションが重要であると考えるからである。

 そこで、重要なこととしては、自身を理解することであると考える。

自分は何故それが好きなのかを、掘り下げ理解することで、自分が本質的に好きなもの、また自分が知らなかった、自身のことを理解できることで、「自分が一番のユーザーになるものを自分で作る」ということができるからである。

また、これから仕事をしていく中で、自分が楽しんでできる仕事を見つけ、自分が一番のユーザーになれるものをデザインしていきたいと私は考えた。

 

大学院特別講義10回

「アニメーションとデザインの思考」西本企良氏

 

西本企良

アニメーション制作者として、博覧会や博物館の展示ソフト、CM、プロモーション・ビデオ、テレビの科学番組の解説アニメーションなど多様な分野で活動。インタラクティブなメディアの草創期に於けるソフトの開発にもかかわる。情報デザインにおいて動きに対する視覚の特性を生かしたインタラクティブインターフェイスの問題、コンピュータを用いたアニメーションの表現の可能性などを研究対象とする。

 

【学んだこと】

 今回の講義で私が学んだことは、映画やアニメーションも元をただせばパラパラマンガであるということ、映画やアニメーションといった動画の技術は言ってしまえば、高速のパラパラマンガであるということ。

 またアニメーション等の動きの早い動画は、一つの動きを行う際にも、アニメーションの中では、一人の人間だったとしても、動きがついているものは同じ人間でなくても問題ないということ、理由としては、人が動きを認知している際、見ている人は人の顔ではなく、人の大きさや動き、服などに注目しているので、体型が似ていれば同じ人でなくても問題無いということ。

 また、少しずつずれるように演出することで、動いているように演出できる。これは、少しずれた動きを流すことで、人間は勝手に動いてると認知するということ。

 人間はパーツが動いているだけでも、人間の目が勝手に保管し、見えない動きの部分を連想することができるということである。

 

【考えたこと】

 今回の講義で考えたことはアニメーションを作成する上では、人間は動きをする際、どのように体が動くのか、どのようなパーツの動きで、体の動きを表すことができるのかを注視し、動きを理解することが重要である。

 「笑う月」のアニメーションでは、いかに少ないパーツでかつ、四角や三角といった物体で動きや、人、モノを表現するかということを、理解できました。

動きにも揺れや、直線的な動きがあり、それだけでも表情や感情を表現できるということ。

 私が考えたこととしては、自分がアニメーションを作成する際、何を伝え何を表現するのかというところを注視し、わかりやすく表現し、どのように見せることができるのかを考えることが重要だと私は考えた。

第7回専門特別講義

「ブランドとデザインの思考」山口義宏氏

 

山口義宏

 ソニー子会社にて戦略コンサルティング事業の事業部長、リンクアンドモチベーションにてブランドコンサルティングのデリバリー統括、デジタル・マーケティング・エージェンシーにてタブレット事業マネジャーを経て、2010年に企業のブランド・マーケティング領域支援に特化した戦略コンサルティング会社「インサイトフォース」設立。ブランド・マーケティング戦略の策定、商品・デザイン・CI・広告施策の支援、グローバル市場戦略・PDCAプロセスの定着支援を主業務とする。

 

【学んだこと】

 今回、山口義宏さんの話を聞き学んだことは、ブランディングすることの重要性である。

 ブランドイメージをどのようにして、ブランドイメージをすり込ませるのか、ということで、まずブランドには、大きく分類すると二種類で構成されている、識別記号と、知覚価値である。

 識別記号とは、製品の形や形状、ロゴ等のシンボルマークなどのことであり、見た目に大きく関わるものである。

知覚価値とは、見た目だけでなく製品の品質や費用に対する総合的な価値判断のことである。

 これにより、ブランドイメージは人により差異が生じるということ。

 なので、消費者の立場に立ち、消費者のニーズや、見た目など、感覚的な部分を理解する必要があるということ。

 また、ブランドとは『一貫性のある体験の貯蓄で創られる』ということである。

これは、同じような製品でも、ロゴの違いや見た目が違えば、違うモノと認識するというものであり、同じロゴ、同じ形状を用いることで、人の意識的に自然にブランドイメージがすり込むということであり、それがブランディングすることであるということを学んだ。

 

【考えたこと】

 今回の講義で私が考えたこととは、継続は力なり、ということです。

 ブランドイメージを持たせるには、良いものを一つだけ作ればいいというわけではなく、製品をデザインする上でも、毎回何か同じ要素を一つ作り、演出していくことでブランドイメージをすり込むことで初めて、ブランディングにつながるということである。

 しかし、ブランディングをするということは、良いイメージも共有させることができるが、逆に悪いイメージも共有してしまうということである。

 一つの製品が何か失敗した場合、他の製品にも、悪いイメージが伝染してしまうということである。

このことから、デザインをする際には、軽い製品でも気を抜かず、全て全力であたり、良い製品を作成していくことが、重要であり、ブランドを作り上げていくべきであると考えた。

 つまり、ブランディングとは、良いものを継続しデザインしていくことで、ブランドが形成され、ブランドイメージにつながるということであると私は考えた。

 

大学院特別講義6回

【空間とデザインの思考】 寺田直樹

 

寺田 尚樹

建築家・デザイナー・料理研究家

1967年生まれ。1989年明治大学建築学科創卒業。1994年英国建築家協会建築学校(AAスクール)ディプロマコース修了。2003年テラダデザイン一級建築事務所設立。2011年テラダモケイ設立

 

【学んだこと】

 なぜ自分はこれが好きであれが嫌いかというのを考える。ということこれは、自分の審美眼について、疑問を持つということであり、自分を掘り下げることで、発想力が生まれるということ。

 寺田さんはゼリーが好きだということで、ゼリーの空間を作成していた。しかし、ゼリーの空間をそのまま作るのではなく、自分自身をゼリーにしてみるというものでした。まず作成したものが、レンズがゼリーになっているメガネ、これにより視界が全てゼリーになり、関節的にゼリーの空間を作成できるというもの、その後ゼリースーツを作成することで、自身が全てゼリーになる感覚を体験し、自分自身を理解した。

 寺田模型と15.0はネーミングについての話でした。

寺田模型は、商品名がそのものの説明になるようにすることで、理解しやすくし、同じ商品に広がりを持たせ、一つのものに多くの可能性を持たせる。

 反対に15.0は名前を聞いただけでは、何なのかわからない製品にし、人に聞いてもらうようにし、興味を持たせ、認知を広げる。これには、ありえないバカな世界を演出することで人の記憶に残すというものでした。

 

【考えたこと】

 今回考えたことは、体験とプロモーションの重要性です。

まず、料理の話でもそうですが、料理と建築どちらも実際行ってみることで、プロセスが似ていると気づくことができるということ。

 ゼリーの話からは、自分が好きなものを経験するという考えから、自分自身がそのものに成るという考え方を持つこと、そして実際に体験することで、新しい考えが出てくるようになり、さらに自分自身をさらに理解することができるということ。

 寺田模型から学んだことは、製品によっては、ネーミングがそのまま商品の説明にすることで、わかりやすくすることで認知を広げられるということ。

 モノをデザインする際には、モノ全体をプロモーションすることで認知を広げることにつながるということ。

 15.0%のスプーンは、寺田模型とは反し、商品名だけでは何かわからないネーミングであるが、このようなネーミングにすることで、興味をそそることができるということ。

 このことから製品を作る上で体験することさらに、そのものをプロモーションすることの重要性を学んだ。

大学院特別講義第5回

【学んだこと】

 未来のデザインと未来のデザイン思考についての話でした。

デザインとは色やカタチだけでなく社会に役立つ素敵なデザイン

ワイアードバイデザイン

みらいのデザイナーと現在のデザイナーは違う

みらいのデザイナーになるには、どうすればいいのかを深く考える。

今後試していくべきと思われることとして、デザインとは色やカタチだけでなく社会に役立つ素敵なデザインであるべきということ。

みらいのデザイナーと現在のデザイナーは違う

みらいのデザイナーになるには、どうすればいいのかを深く考える。

自分がやったことないことを人がアドバイスすることはナンセンスであり、人に教える際には、まず自らが経験するべきであるということ。

みらいの仕事をデザインするということについて。

自分で自分の仕事をデザインすることがみらいのデザインの一つであると考えられる自分の仕事をデザインするには、自分は何が得意で何ができるのかを考える。

 結局は、未来のことは誰にもわからないので、どのような未来が来てもいいよう動いておくべきであるということ。

 

【考えたこと】

 未来のデザインの考え方として、一番重要だと私が感じたことは、自分の仕事を自らがデザインするということである。

なぜなら、自分の仕事をデザインするには、自分は何が得意で何ができるのかを考えるということもあるからであるが、自分自身いままでなにが得意でなにが好きなのかということを、今まで深く考えたことがなかったからである。

つまり自分の特徴を理解し、他の人にも伝わるように自分のなかで深く理解しておくべきであるということ。

自分自身を深く理解するということが、とても重要であり、思考とデザインとビジネスの関係を考えるということが重要であるということだからだ。

今後デザインとして考えるべきことは、デザインとは色やカタチだけでなく社会に役立つものを考えることであり、今後の社会に何が必要であるのか、

何が今後重要視されてくるのかを考えるべきであると私は考える。

 

大学院特別講義第4回

タイポグラフィーとデザインの思考 中垣信夫氏】

文字の歴史を読み取ることで時代の変遷をある程度理解することが可能であるということ。

元来、文字が生まれた理由は、社会が大きくなったからだと考えられる。

なぜなら、社会が大きくならなければ、声つまり音でのコミュニケーションで全て済ませることができるからである。

ゆえに、文字が生まれた理由は、社会が大きくなったからであり、国家が生まれたからであり、言葉を記録する必要が出てきた為である。

のちに、後世に伝統や文化を伝えたいという思いにより文字が文章化され、書物化された。

それゆえ、本が多く生まれ、本から科学革命につながり、科学革命が産業革命に繋がり、産業革命により広告が生まれた。

よって、文字を読み取ることは、時代の変遷を理解することに繋がる。

また、日本語は、カタカナ、ひらがな、漢字を組み合わせで言語が成り立っている言語である為、表現の幅が広く人によって様々な表現が可能である。

文字の歴史を理解することで時代の変遷を理解できるということは、文字だけではなく、言葉の言い回しや、ネーミングの流れ等からも時代の変遷を理解できると考えられるということなのではないかと私は考える。

 

近年、フォントを作成する際には、パソコン等の電子機器を用いて作成されている。

これには、機械が発展したことが、大きく関係している。

しかし、機械が発展することは必ずしも良いこととは言い難い。

なぜなら、文字やフォントを作成する際これまでは、必ず人の手が介入する部分が存在していたが、現在は、人の手を介さずに作成することができるからである。

しかしながら、ローテクにはローテクの良さがあり、モノを作る際に人の手が介入べきなのである。

したがって、人間の手で書体を生み出すことは、放棄したと言える。

ゆえに便利になるということは、すべて良いことではないのである。

このまま歴史が進んでいった場合、人間が機械に支配される時が来る可能性があると私は考える。

なぜなら、機械の発展につれて、人間が介入する部分が減少し、最終的に人間の仕事が完全になくなってしまうかもしれないからである。

仕事が完全になくなってしまったら、機械を神として崇めてしまうのではないかと私は考えるからである。